【展示場所】(場所・番号などは変更されている場合があります)
第2章 巨大城郭の時代
四 金箔瓦の荘厳(本館7室①)
(一)安土城
展示番号83.84番
第2章 巨大城郭の時代
四 金箔瓦の荘厳(本館7室①)
(一)安土城
展示番号83.84番
原さん
「唐物茶壺 松花と金花」は徳川美術館が誇る名宝の1つで、信長公記にも出てくる金花(きんか)という茶壺と松花(しょうか)という茶壺です。
安土城の天守が完成した祝いに信長に贈られた「天下の名器」と言われていた、最高級の茶壺なんですよ。この壺こそが信長の安土城を象徴する道具で、これを今回の目玉にします。だから天下人の城のチラシにも載っているんですよ。
安土城の天守が完成した祝いに信長に贈られた「天下の名器」と言われていた、最高級の茶壺なんですよ。この壺こそが信長の安土城を象徴する道具で、これを今回の目玉にします。だから天下人の城のチラシにも載っているんですよ。
おいでよ天下人の城展
そんなすごい壺なんですね!
原さん
しかし、なぜ茶壺が目玉なのかなかなか伝わらないのが難点で・・・。 チラシには「安土城天守完成祝に信長に贈られた天下の名器」と説明を入れないと、なぜ安土城の展示に茶壺?とみなさんに伝わらないと思って一文入れさせていただきました。
おいでよ天下人の城展
たしかにお城と壺の関連性はよくわからないかもしれません。
原さん
「金花」は極めて黄金色に発色した綺麗な釉がかけられていて、 松花の方は非常にグリーンの綺麗な発色をします。 信長は天下の名器を集めることに躍起になっていて、安土城完成祝いの時にこれが贈られてきて、安土城天主の中に置かれたということが「信長公記」に書かれています。
安土城の中に確実にあったということがわかる唯一の道具です。
安土城の中に確実にあったということがわかる唯一の道具です。
おいでよ天下人の城展
安土城が燃えてしまってから壺はどうなったんですか?
松花と金花
ちょっと待って!ここからは私達が説明します!
おいでよ天下人の城展
あ!茶壺の松花ちゃんと金花ちゃん!
松花と金花
おいでよ天下人の城展
どうして金花ちゃんは一緒じゃないの?
松花と金花
妹の「金花」の方は紀伊徳川家の初代・頼信さんに譲られて、私たち離ればなれになってしまったんです。
さらに紀伊徳川家の方から頼宣さんの三男で分家の伊予西条松平家初代の頼純さんに譲られて。
その時は、手紙のやり取りくらいはできていたんですけどね。でも大正13年になると突然金花が売りに出されて行方不明になってしまって・・・(涙で言葉に詰まる)
さらに紀伊徳川家の方から頼宣さんの三男で分家の伊予西条松平家初代の頼純さんに譲られて。
その時は、手紙のやり取りくらいはできていたんですけどね。でも大正13年になると突然金花が売りに出されて行方不明になってしまって・・・(涙で言葉に詰まる)
おいでよ天下人の城展
泣かないで!松花ちゃん、金花ちゃん。その後どうしたの?
松花と金花
ずいぶんと金花は見つからなかったのだけど、昭和49年にひょっこり見つかって。それをこの徳川美術館さんが買い戻してくれて私たちはまた一緒になれたんです!見つかった時の金花は少し荒れていたけれど、今はこうしてまた華やかで美しい金花に戻りました。(荒れていた以下のくだりは、完全にフィクションです)
おいでよ天下人の城展
生き別れの姉妹がまた巡り合うなんて。ドラマみたい。
松花と金花
今回は私達姉妹を目玉にしてくださるということで、とっても楽しみにしています。みなさん、ぜひ見に来てくださいね!
次は【85】【93】安土記 太田牛一が信長の最期を活写した「信長公記」の最終章へ
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(一)安土城
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(一)安土城
展示番号83.84番